そのために、まず外国人がどのように日本語を学んでいるのかを少しお話ししたいと思います。
来日する外国人は、いろいろな在留資格で入国してきます。
そのなかで、技能実習生や留学生の多くが母国や日本で初めて学習する日本語はていねい形の「です。ます。」調です。
動詞の学習のスタートは、「食べる」「飲む」「勉強する」という普通形(辞書に載っているかたち)ではなく、「食べます」「飲みます」「勉強します」という丁寧形(「です、ます」形)から学習します。
初級の日本語学習者にとっては、「朝ご飯を食べますか?」は理解できますが、「朝食、食べる?」と聞かれても全く理解ができない未知の言葉なのです。
日本人からすれば、「どちらでも同じでしょ」、「朝食、食べる?」の方がより、簡単な言葉ではないかと感じる人も多いかと思います。
親しみをこめて、「ここに、名前書いてね」とやさしく伝えたちつもりでも、「ここに名前を書いてください」としっかり、「を」という助詞も含めて、言わないと通じないのです。