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特定技能外国人受入要領一部改正情報(労働社会保険関係除く)

特定技能の在留資格制度が始まり1年半が経過したところですが、2020年に入り、少しずつ増加しています。新型コロナウイルスの影響はいろいろ受けているものの、運用要綱も改正が進み、特定技能外国人として日本で働きたい外国の方にとっては、そのチャンスが広まっています

そのような、「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の一部改正についてご説明します(労働・社会保険関係に関する箇所を除く)。

特定技能外国人受入れ運用要領

 

まず、要領の改正は以下のようになっています。

〇要領本体(特定技能外国人の受入れに関する運用要領)

  • ①2019.9.27 更新
  • ②2019.11.29 更新
  • ③2020.2.28 更新
  • ④2020.4.1 更新

〇支援に係る要領別冊(1号特定技能外国人支援に関する運用要領)

  • ①2019.9.27 更新
  • ②2019.11.29 更新
  • ④2020.4.1 更新

①2019年 9 月 27 日付一部の改正について

2019年 3 月に特定技能外国人受入要領が公表されて以降、はじめての大きな改正です。運用要領の記述内容が全般的に改正されているほか、複数の様式についても改正箇所があります。

特定技能所属機関(受入れ機関)の支援責任者、支援担当者の中立性の明確化、登録支援機関の登録申請時に新たな書類(参考様式第2−8号 支援委託手数料に係る説明書(予定費用))が追加されたこと等もありました。

そして、特定技能外国人として日本で働きたい外国の方にとってチャンスが広がったと言えるのは、以下の点です。

・「技能実習 2 号を良好に修了」の証明方法が緩和され、「評価調書(参考様式第1−2号)」提出困難時の措置が追加されました。

・技能実習と特定技能の就労先が同じ企業の場合に、「技能検定3級または技能実習評価試験(専門級)の実技試験の合格証明書の写し」「評価調書」の提出の省略が可能となりました。

②2019 年 11月29 日付一部の改正について

支援計画基準の改正などもありましたので、登録支援機関の担当者の方は確認しておく必要がありますが、特定技能外国人として日本で働きたい外国の方にとってチャンスが広がったと言えるのは、以下の点です。

技能実習 2 号を良好に修了した場合、職種・作業に拠らず日本語検定(国際交流基金日本語基礎テスト及び日本語能力試験(N4 以上)のいずれの試験も免除するとされました。それまでは、技能実習の職種・作業と対応しない特定技能の場合は、日本語能力が十分にあるとしても、改めて試験の受験・合格が必要でした。

しかし、この改訂で、例えば、「製造業系の技能実習」を良好に修了した外国人が「外食の特定技能」を希望する場合は、「外食の技能試験のみ」受験・合格すれば良いことになります(「特定技能評価試験」の合格のみでよい。)日本語検定は、受験機会確保が難しいので、良い改正であったと言えます。

技能実習 2 号を修了し、母国へ帰国している外国人は、自国で日本語検定を開催していない国もあります。ただし、介護については他分野と異なり、「介護日本語評価試験」という上乗せの試験があることは注意が必要です。

③2020年2月28日付一部の改正について

日本在留の留学生等の外国人を特定技能外国人として雇用する場合,納税義務や社会保険料 納付義務などの公的義務を履行しているかを要確認とされました。

この点は、特定技能外国人受入要領一部改正情報(労働社会保険関係)の他コラムに説明をゆだねたいと思います。

④2020 年 4 月 1 日付一部の改正について

国内試験について、それまでは、①~⑤の方は受験ができませんでした。

  •  ①中長期在留者でなく、かつ、過去に日本に中長期在留者として在留した経験が無い人。
  •  ②退学や除籍処分となった留学生の方。
  •  ③失踪した技能実習生
  •  ④「特定活動(難民申請)」の在留資格で在留している方。
  •  ⑤技能実習や研修等の在留資格で在留中の方

 

しかし、上記の内①~③が変更され、4 月 1 日以降の試験では在留資格を有していれば、受験が可能となりました

それまでは、特定技能の試験が実施されていない国の外国人の方で、過去に「中長期在留者」として日本に来た事が無い場合は、特定技能の試験を受けることが難しい状況でしたが、上記①の「中長期在留者~」が無くなる事で、日本での特定技能試験に合わせて短期滞在ビザで日本に来て試験を受けることが可能になりました。

もちろん、特定技能の在留資格が許可されるかは別の話であり、このことも強調されています。(過去の在留状況がよくないと判断され不許可という可能性も十分考えられます)

 

仕事をする外国人

以上いかがだったでしょうか。

運用要綱も改正が進み、試験受験資格の緩和などを通じて、特定技能外国人として日本で働きたい外国の方にとっては、そのチャンスが広まっています。

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